感想>浅暮三文『ラストホープ』
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題名:ラストホープ
著者:浅暮三文
出版:創元推理文庫 2004年6月30日初版
価格:本体720円+税
極私的評価:★★★1/2
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少々前にネット上で大流行し今でも沈静化していない『電車男』が『セカチュー』を超える純愛指数との噂にワシも2ちゃんねるに走りましたが、確かに読み手が赤面してしまうほどの純情秋葉男がそこにはいた(^_^;)。そんな話の直後に読んだのがこれ。東堂と刈部の悪漢コンビの上を行く三婆のエグいこと。見事に現代社会の腹黒さ加減にシンクロして、ふわふわ純愛路線から現実に引きもどしてくれましたなあ。人生かくあるべし。『最後の希望』シリーズ化をを見越して作家もいろいろ登場人物をセッティングする都合上、ストーリー進行がもたつく場面も少々難ありなんだが、主役より脇役にキャラが立った部分に星1/2おまけだな(^_^;)。作家の頭の中で登場人物の交通整理が済んだので第2作以降よりこなれたピカレスク小説が登場してくれるでしょう、多分。
浅暮三文って作家は個人的にはお初です。機会があれば『カニスの血を嗣ぐ』以降の作品群もチェックしなくっちゃと思ってはいるのですが、とりあえずはこのシリーズを追いかけてみようか、と。半分趣味を生かしたフライorルアーフィッシングのシーンは臨場感はそのままフィールドを感じるナチュラルな筆致でさすが釣り師で作家なのよね~と思わせる。ただ、源流部に近いとはいえ多摩川でそうそう30㎝オーバーの山女魚が釣れるって話は夢のまた夢なのよね。関西圏作家が舞台設定を関東に据えたのは何か意味があるのか、その辺がよく分かりませんが、ちょいと頭の中に「?」が浮かびましたので指摘させて頂きました(^_^;)。
三つ巴で混乱する1億円の行方も、まあ、ありがちな話作り。連続宝石強盗組の本件への絡みがイマイチ消化不良気味で…等々多少引っかかりはあれど、オチが見事に決まって微苦笑するエピローグではある、ね。釣具屋が主人公と来れば、魚絡みのネタを次回作でも引っ張るであろうから、フライで魚と来れば、どうしても鱒系になっちゃうし、またしても鱒が何かを飲み込んだなんて発端はなしでよろしく(^_^;)。でもまあ、そこさえクリア出来れば面白くなりそうではある、と釣り師的個人的には思っているのである。もっとフィッシング場面を増やせとも言っておこう。(2004年7月読了)

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